お金持ちになるためには?『億男(おくおとこ)/川村元気 著』からお金を学ぶ
お金に関しての本を読むのが好きな人は多いと思う。
書店に行けば、お金に関する本がずらっと並ぶ。
毎月「お金の~」みたいな本が出版されているのは人々がそれを欲しているからである。
僕も間違いなくその中の一人である。
今、本棚をざっと見てみたが、並んでいるお金関係の本は
「なぜあの人はいつもお金に困らないのか」
「60歳までに1億円をつくる術」
「千円札は拾うな。」
「稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?」
といったタイトルが並ぶ。
これだけお金の本を読んでいるのに、僕はお金に困っている。
「稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?」という本を読み感化された僕は、長財布を使用しているが、その財布の中にお金が溜まることはなく、ポケットにいれるには重くかさばる長財布を使用し、そろそろ財布を買い替えようかと考えている。
お金に関する本が売れるのは、お金が根深い欲求に紐づいたものであるから僕をはじめとする人々はコンプレックスを埋めるために何冊も本を買うのである。
本当に、本を読んでお金を稼ぎ貯めることがみんなできるようになっているのであれば新しい本を読む人がどんどんへ減っていき、お金にまつわる新書が並ぶことは少なくなると思うのだが・・・・
さて、そんなお金コンプレックスを持つ、僕の本棚にまた新しい本が並ぶことになったた。
タイトルにも書いた「億男(おくおとこ)」という本である。
この本がめちゃめちゃ面白く、一晩で読み終えてしまった。
通常のお金に関する自己啓発本とは異なり、物語として話が進むのでお金に対する共用+小説を読む楽しさを両方味わうことができる。
ベストセラーの「夢をかなえるゾウ」に似たテイストである。
最後は、ほろっとするシーンもあり涙をしてしまった。
この著者の川村元気 は元々映画プロデューサーとして「電車男」「君の名は。」他多数の大ヒット作と関わってきたという。
12年には「世界中から猫が消えたなら」で作家デビューをしている。
(この作品も映画で見たがとても良作であった)
どうりで面白いわけである。
物語の中ではお金にまつわる話がいくつも登場するがこの本の中で印象に残ったシーンを一つ取り上げたい。
主人公がある事情で競馬場で出会う一人の男との会話のシーン。
男が主人公に金持ちになる方法を教えるという。
「ほんまに簡単や。金を使わんと、貯めればええねん」
「そうや。でもキミらみたいな貧乏人は、貧しいくせに道ばたの一円玉を拾わんやろ。ボクは必ず拾う。さっきキミはバカにした目で見たやろ。でも、一円を笑うもんは一円に泣くって、あれはホンマなんやで。競馬がほんの数秒で決まるのと同じで、たった一円が勝負を分けることもあるというのんを、ボクらは知っている。使わんと貯めておけば、いつか大きな勝負がやってくる。そのときに一円でも多いほうがええんに決まってるやろ。だから、来るべきに備えて一円玉でも拾う」
一円を拾うという行為は抽象的な行為である。
例えば、買い物をする際にコンビニでスーパーの2倍近くするペットボトル飲料を購入したり、そもそも必要のないものを買い込む行為。
休日に少額ならばいいだろうと数百円づつ、たいした研究もせず期待値の低い馬になけなしの金を賭けるギャンブル。
僕の生活も周りを見回せば一円を拾わない行為がたくさんある。
小銭を大切にすることが裕福な暮らしへの第一歩である。
さてこの本も、これまで読んできた他の本と同じく一時の気休めとなるのか人生を変える一冊になるのかは分からない。
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