アルバイトと海老の殻剥きの関係について
会社の通勤時にふと見た飲食店のアルバイト募集のポスター。
何の気なしにその募集の金額を見ると募集時給が1,150円となっている。
自分の大学生の時は飲食店のバイトは900円程度が相場であったがずいぶんと上がったものである。
どうやら今は求人を出してもなかなか人が集まらないらしい。
いわゆる「売り手市場」というものだ。
料理に使用する海老についての話。
かつて飲食店ではそのままの姿の海老、(頭がついていて殻がついている)を市場やお店などから仕入をして頭を取り、殻をむき手間をかけて料理に使用していた。
しかし、近頃では「むきエビ」を使用するお店が増えているそうだ。
冷凍されていて、すでに頭も取ってあり、殻もむいてある。そのまま加熱すればいいという非常に手間が省ける商品である。
中にはすでに茹でられていてそのまま回答して食べられるものまで売っている。
もちろん、殻付きの海老の方が、海老の鮮度もよくぷりぷりしていておいしいし安い。
ではなぜそこまでして「むきエビ」を使用するのか。
それは、やはり人が足りないからである。
田舎の小さな料理店では人が集まらず、海老の殻をむき手間も省きたいという。
では、この海老の殻をむきという仕事はどこにいったのか?
それは、海外の人たちの仕事となる。具体的には、中国、ベトナム、インドネシアなどアジア圏の人々の仕事となっている。
そうして、その国の発展に寄与していくのである。
たかが、海老の殻を剥くという話であるが、本来僕たちがお金を稼ぐ術はこうして海外へと流出をしていくのである。
では、こうして海外の人々に間接的にではあるが、賃金を払って海老の殻を剥いてもらった僕たちはどのようにしてお金を稼ぐのがよいのであろうか。
それは、料理のアイデアであったり、接客技術の向上(おもてなし)に努め、食べるということに対する価値向上に努め、日本から海外への食文化の発信であったり、日本で食事をすることへの価値を上げ海外から観光客を呼び寄せることであろうか。
食品業界に関わる人間として、ここ1~2年で食材の流通量が減ってきているように感じる。僕たち一人ひとりが知恵を出し、食に対する価値を上げていかなければこの先はどんどんと厳しくなっていくと感じる。
なんて、偉そうなことを書いたが、食事はもっぱら、ラーメン、ハンバーガーが主体である。もっともっとおいしいものを食べて生きていこう。すばらしき食文化を目指して。