このネタで見分ける!これから伸びる回転寿司つぶれる回転寿司
先日、ネットニュースでこんな記事を見つけた。
おさかな業界で働いて7~8年働いているが、このニュースは非常に刺さるものがある。
数年前に担当していたお客さんの店舗も突然倒産をした。
ニュースタイトルに出てくる魚価の高騰はまさしくその通りである。
例えば、人気のサーモンネタ。
これも近年高騰しており、僕が入社をした7~8年前から比べると卸値で1.5倍程度になった。
他にもマグロ、エンガワ、アジ、イカ、etcありとあらゆるものが高騰している。
安価な回転すしに使用されるネタは主に海外からの輸入ものが大部分を占める。
輸入物だから安いんでしょう?そんな疑問が出るだろう。
その輸入物が高くなっている。
大きな理由の一つは、外国の人たちが海鮮を食べるようになったことが挙げられる。
シーフード需要の世界的増加である。
これにより、以前は世界各国のシーフードの販売先であった日本の優先度が下がってしまったのである。
お金を持っているアメリカ人、中国人、他アジアの新興国などが日本より高いお金で世界各国のシーフードを買うようになったのである。
すると自然と日本が買う値段も吊り上がるものになる。
中国産の食材も多いが、今までは輸出をすることがメインで漁獲していたものですら
中国人がシーフードを食べる習慣が一般化したため自国で消費するようになってしまったのである。
安い輸入物が決して安いものではなくなってしまったのである。
そんな食材が高騰していて危機に瀕している回転寿司にて提供される商品でこれに注目すればおおよそそのお店の今後の伸びしろが分かるという豆知識的なものを紹介したい。
①ネギトロ
言わずと知れた人気ネタである。
最近はふわふわした触感を謳って「とろけるネギトロ」なんて商品名にして提供している寿司屋もある。
とろけるなんていうのは確かに聞こえがいいが、それはマグロの使用量が少ないことの裏返しの表現である。
では、その「とろける」ものの正体は何か。脂である。
近年はマグロも例に漏れず、シーフード需要の増大などにより価格が上がっている。
そこで、価格を抑えるためにマグロの成分を少なくし、脂の比率を上げるのである。
そうしたものは、ネギトロと謳ってはいるものの、半分は脂である。
通う繁華街の回転寿司も以前は触感の残るマグロを使用したネギトロを提供したが
最近では形のないホイップクリームのようなネギトロを使用をはじめ、原材料高騰の大変さを実感したことがあった。
②いくら
これも大人気の定番ネタである。
いくらとは、鮭の卵である。
しかし、この鮭にも様々な種類が存在する。
高級店や、回転寿司の高級ネタとして提供されるのは、北海道産秋サケの卵である。
しかし、この秋サケ、昨秋の取高が良くなく、それに伴い秋サケのいくらも高騰し1.5倍程度まで高騰している。あまりにも高すぎるためよほどのカウンターのすし屋でない限りは提供されることは珍しくなっている。
では一般的に回転寿司で使用されるいくらは輸入物の鱒を卵である。
しかし、こちらも秋サケと同様、取高が悪く価格が高騰している。
しかし、鱒いくらに代わって使用できるいくらはなかなかないため各回転寿司店は原価の高騰に耐えながらも提供していると聞く。
危ないかなと判別できるいくらがある。
銀鮭のいくらである。
スーパーの定番品の鮭の切り身がこの銀鮭である。
しかし、この卵はお世辞にもおいしいとは言えない。
粒があまりにも小さく(通常の鱒いくらの半分くらい)プチっとした触感もないのでいくらを食べているという感動が味わえないのである。
回転寿司に行き、粒の小さいいくらを使用している店を見たら「この店そろそろ危ないな」という指標の一つにはなるだろう。
厳しい状況の続く中ではあるが、回転寿司という文化は日本が生み出した世界に誇るべくものである。
きちんと適正な価格で仕入れができ、お客さんが満足いく良質なものが提供できる日がくるのを心待ちにしている。
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