【読書の秋】読書を始めるならまずは短編小説がお勧め
いよいよやってきました読書の秋!
なぜ読書の秋といわれるのか?
人が集中するのにもっとも適した気温が18℃前後とされており、秋の気候がもっともぴったりなのだとか。
9月、10月は3連休も多いので家でゆったりと読書をするいい機会だと思います。
しかし、普段読書の習慣がない方は「1冊読むのが苦痛」という方もいるでしょう。
実は、僕もそうです。よっぽど内容にハマらないと1冊読破できません。
そんな方は、まず「短編小説」から始めてはどうでしょう?
20~30分もあれば読み終えることできますし、読み始めて「つまらないな」と感じればすぐ次の話にいけばよいのでお手軽です。
僕が読んで面白かった短編小説を紹介したいと思います。
①女のいない男たち/村上春樹 著
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日本の現代文学の大御所です。
村上春樹というと「ノルウェーの森」「1Q84」などの長編が有名です。
これらの小説にもチャレンジしましたが、村上作品は通常のエンタメ小説に比べ表現も抽象的なものが多く、途中で挫折をしてしまいました。
この、「女のいない男たち」をはじめ「東京奇譚集」「神の子どもたちはみな踊る」など数冊の短編集が出されていますが、どれもすんなり頭に入って読み終えた後には素敵な余韻を残す作品が多いです。
「女のいない男たち」は6編の物語により構成されていますが
とくに印象に残ったのは「独立器官」という話。
小説の帯の紹介文です。
友人の独身主義者・渡会医師が命の犠牲とともに初めて得たものとはなんだったのか。
この話は、女性を深く好きになったときに読むとより一層深い味わいがでると考えます。そして、「独立器官」というタイトルの意味もより一層理解できるはずです。
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第117回芥川賞受賞作!
公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?
スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった美女だった。噴水広場でカラフルな弁当を広げるOL、片足立ちの体操をする男、小さな気球を上げる老人・・・。ベンチの隣に座って彼女と言葉を交わし合ううち、それまでなんとなく見えていた景色が、にわかに切ないほどリアルに動きはじめる。
日比谷公園を舞台に、男と女の微妙な距離感を描いて、芥川賞を受賞した傑作小説。
あらためてアマゾンのレビューを見ると賛否両論がありますね。
吉田修一作品の良さは、特になんてことないありふれた描写を人間の内面含め稚拙に描き出すことだと思います。
その抑揚のなさが物足りないという方もいますが、僕はこの抑揚のなさが残す余韻が好きです。
③ 週末のフール/伊坂幸太郎 著
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八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。
自分の言動が原因で息子が自殺したと思い込む父親(「終末のフール」)
長らく子宝に恵まれなかった夫婦に子供ができ、3年の命と知りながら産むべきか悩む夫(「太陽のシール」)
妹を死に追いやった男を殺しに行く兄弟(「籠城のビール」)
世紀末となっても黙々と練習を続けるボクサー(「鋼鉄のウール」)
落ちてくる小惑星を望遠鏡で間近に見られると興奮する天体オタク(「天体のヨール」)
来るべき大洪水に備えて櫓を作る老大工(「深海のポール」)などで構成される短編連作集。
はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
「アヒルと鴨のコインロッカー」「ラッシュライフ」など
数多くの作品が映画やドラマ化されている作家、伊坂幸太郎の作品です。
この方の作品は読みだすと、テンポが良く、ストーリにも多様な工夫がされておりついつい時間を忘れて作品に没頭してしまいます。
あと、伊坂作品のすばらしいところと言えば、キャラのたった登場人物の胸に突き刺さるかっこいい名言。
この、「週末のフール」にもいくつもの名言が出てきます。
あなたの人生のパートナーもなる言葉がこの小説には隠されているはずです。
以上、3つの作品を紹介しました。
それぞれ、作品のテイストは異なりますが、まずは上記のような短編を入り口として気に入った作品があればその作家の長編を色々と体験していくというのが読書を「楽しい」という体験にするよい方法だと思います。